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[コメント] ドリームキャッチャー(2003/米=カナダ)

典型的なキング作品の失敗例。恐怖の導火線に火が点る前半の展開は悪く無かったが、余りに引っ張り過ぎ。窮屈な後半は、かなり強引に展開する。ラストもお粗末極まりない。これでは、原作未読の人はついていけないだろう。
Pino☆

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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原作はどちらかと言えば、サイコホラーに近い作品なのだが、なんだか安っぽいSFアクション映画を見ているようで、正直悲しかった。ダディッツに至っては、何だかウルトラマンみたいで、原作の業を背負った様なイメージは殆ど感じられなかった。

 個人的な印象だが、キングの書いた原作小説は、『エイリアン』の様なSFホラーというよりは、『スタンド・バイ・ミー』の様な友情物語に近いと思う。そういう意味では、『IT』の感じに一番近い。

 しかしながら、どうやら映画化された本作は、5人の友情物語よりもスーパーナチュラルな要素の方を重要視してしまったようだ。そのため、全く感動を呼ばなかった。それは、登場人物の内面描写が弱く、直接的な怖さばかりを強調しているところに如実に表れている。昔のエイリアンものを焼き直した様な印象を与えてしまうのも、これではしょうがないだろう。時間的な都合もあるのかもしれないが、細かく描くべきは、精神世界における戦いや5人の絆だったのだ。これらをいい加減に済ましてしまったところが、本作の敗因だと思う。

 原作未読の方は、後半の人の動きに各々特別な意図があることは、全く分からなかったのではないだろうか?

 キングの長編小説は映画化が難しいというが、まさにそうだなとつくづく思わされた映画だった。

(評価:★2)

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