スポ根モノとして楽しめなかったわけではないけど、サーフィンそのものの面白さを充分に伝えてくれたかというと、疑問が残る。ＮＨＬの選手に波乗りを教えるシーンでも、簡単に波を捕まえられるようになっちゃって、初めて波乗りができたという感動がどこにも無いのは大きなマイナス点。本当にサーフィンが好きな人が撮ったのか疑いたくなる。

　それと主人公、正直言って、才能があるんだか無いんだか良く分からなかった。パドルが苦手なのに、沖にトーインで練習しに行くっていうのも良く分からないし、小波でもエアとか決めてる絵はなかったし。パイプラインでのラストでも、パドルでの加速が不足し、ボトムターンに入るときもフラフラしているし、一発だけ（ほとんどマグレなのに）チューブに入れただけで、ガッツポーズで、拍手喝采っていうのはどうなんだろう？

　ケアラ・ケネリーとか、本物のＡＳＰ Ｗｏｍｅｎ'ｓ ＷＣＴ（World Championship Tour）トッププロが可哀相に見える。

　こんなこと言っちゃ悪いかもしれないけど、この映画を良かったなんて言ったら、本気でプロを目指している人に悪い気がする。正直、日本の女性トッププロの方が１００倍くらい上手いよ。