[コメント] アバウト・ア・ボーイ(2002/英=米=仏)
一人では生きていけるはずないから。繋いでいたいんだ、YOU。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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とは木村カエラの超名曲『YOU』の歌詞であるが、フリーランスに近い仕事をしており、一人きりの時間が多い自分としては、家族・友人・恋人・同僚といった周囲の人間の大切さ有難さが身にしみる毎日であり、その分、こういったメッセージには滅法弱い。
本作はまさしくこのテーマを真正面から捉えており、登場人物に直接的に語らせることもあれば、ジョン・ボン・ジョビの言葉やキリング・ミー・ソフトリーの歌詞に託したりもする。様々な方法で「人は孤島ではない」と訴えかけてくる。少しウェルメイドに過ぎるきらいは否めないが、諧謔味とペーソスのバランスが絶妙だし、泣きながら笑える上質なドラマとして稀有な一本と言えるだろう。
特に素晴らしいのは、最後のステージで二人が歌うところ。マーカスのアカペラではブーイング。ウィルの独りよがりギターにもブーイング。でも二人揃うとその歪でも暖かいハーモニーが観客の心をとらえていく展開がイイ!相互補完を演出一発で象徴的に描いたクライマックスだ。
最後にマーカスの髪型や服装が変化していたり、ウィルのイビサ島にたくさんの人が上陸していたり、表層的には沢山の変化が描かれている。しかし、本質的には大きな変化はないと思う。相変わらず、二人ともボンクラで、あんまり他人が何を考えているか判ってない。それでも、誰かが傍にいるということは、とても嬉しいことなんだなぁ。
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