[コメント] 猫の恩返し(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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おそらく自分も含めて、平凡な毎日を見つめ直すきっかけってそんなに無いんじゃないかなぁ。映画で起こる様な劇的な出来事や示唆的な事っていうのは当然映画の中にはゴロゴロ存在してて、映画ってもの自体やはりそうあるべきなんだろう、と思う。うん。だから映画の中で主人公は悩みを抱えてなきゃいけないし、ラストには成長して見せなくちゃいけないんです。きっと。
でも人生を舞台として自分を主人公に置いて考えてみたら、そんな分かりやすい事実際にはなかなか起こらないわけじゃん?
ハルは大した悩みもなさそうなふつーの女の子で、帰って来た後も変わらずふつーの女の子。猫の王国に行ったからって何か学んだっていう訳じゃない。これって「映画」を観てる側からしたら全然物足りないだろうし、ストーリーにもぱっとしないなーなんてケチつけたくなる様な気がする。だって「猫の王国行って逃げ出してくる」なんて凄いファンタジックな事してるのに、肝心なハルがろくに変わってくれないから。
ただ、俺はそれって何かリアルだなって思った。
もしかしたら自分の毎日にも色々と起きてて、学ぶべき事があるはずなのに気付いてないだけじゃないかなーって。もし自分に観客がいたら「猫の王国」的なことが通り過ぎていっててブーイングされてんじゃないかなーって考えたり。
反面教師として描きたかったのかは知らないけど、この映画を観てちょっと考えさせられました。ハルにはあんまり届かなかったみたいだけど、「自分の時間を生きろ」ってバロンの台詞がいやに耳に残ります。
笑いどころも結構あってかなり満足なくせに5点じゃない理由は、バロンの描写が”耳をすませば”に比べるとちゃっちくて格好良さ半減だから。ん〜残念なり。
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