[コメント] ピアニスト(2001/仏=オーストリア)
変態を毛嫌いする常識人を鼻で笑ってた自分でもついていけなかった悔しさ。
少々の変態なら余裕で説教してやる、と思っていたが、しっぺ返しくらった。彼の方はまだわかるとしても、イザベル・ユベールは理解の枠を越えている。音楽教授や母とのいびつな暮らしぶりなど背景は十分にわかるし、あのレベルの変態はいてもおかしくない。しかし、なぜああなるのかが具体的に結びつかない。
丹念に表情を捉える冷徹な演出だが、ユング、フロイト的な心理分析を省いたのは、劇的な展開のダイナミズム優先ってことでしょうか。
二人もうまかったが、母親のおかしくて悲しいキャラと、レッスン受ける母娘の神経逆撫でする切迫感が、変態ドラマを盛り上げていたと思います。
突き抜け方は痛快でもあるのだが、やはり痛々しさが先に立ってしまう映画でした。
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