ダーク･ファンタジーの世界観や演出はティム・バートンを意識しているのか､舞台装置をＣＧにあまり頼らず実際にセットを作って再現しているところには感心する｡特撮の出来も素晴らしい｡

ストーリーも最初は事故で昏睡状態になった主人公ステュがモンキーボーンと協力してダークタウンから脱出し地上に戻る展開かと思いきや､途中でモンキーボーンがステュを裏切り､彼の体に乗り移って地上で悪さをするところはちょっと驚いた｡ステュに乗り移ったモンキーボーンが酵素を使って人々に悪夢を見せようとするところは『エルム街の悪夢』のフレディを髣髴とさせる｡

ステュが自分の体に乗り移ったモンキーボーンを阻止しようとするまでのストーリー運びも上手いし､キャラも個性的､テンポもよいので､無難に楽しめた｡

一つ気になる点があるとすれば､やはりステュが乗り移った運動選手の死体を臓器採取中の医師たちが追いかけるところ｡死体が突然動き出したとなれば普通は逃げ出すと思うのだが｡