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[コメント] アメリ(2001/仏)

誰にでもある、自分だけのささやかな幸せ、ちょっとした好きなこと・嫌いなこと、その積み重ねの細かいエピソードが「あ〜、分かる分かる!」って思った。触感の刺激を受ける映画。共感した部分は大きい。でもちょっと違和感も…。
ぷり

**ネタバレ注意**
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人形が海外旅行する仕掛けによってお父さんが外に興味を持つようになったエピソードはすごく良かったと思う。でもその他に関しては人の幸せを演出するのも、嫌味な男に陰険な悪戯するのも結局アメリの自己満足だし、しかもアフターケア無し。回りくどい行動を見るうちに、「ストレートに人とぶつかり合えよ」って思ってしまった。まあ、ようやく一目惚れの相手と対面してから、アメリは本当に自分の殻をうち破ったんだろうけど。

元々ジュネ(&キャロ)監督の映画は美術とか映像、演出、ひねくれたストーリーが好きで、『アメリ』も同じく好みではあるんだけど、こうまで『アメリ』人気が広まってるのも違和感を感じる原因。 綺麗で可愛く作られているからファンタジックで素敵だけど、話の本質には底意地の悪い部分があるのに、やたらと「幸せになれる」とか雰囲気先行で話題になってるのが、なんだかなぁ…。アメリがもしブサイクだったら、恐ろしいストーカー映画になっただろう。なんて言うのは映画を楽しむ上で野暮なことだった。

そんなに不思議少女に共感できる人が増えているなら、個性の強い人を排除するような横並び意識の強い日本の社会も変わりつつあるってことなのか、それとも実は誰でも心の中じゃアメリのような個性に憧れてるってことなのか?

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)埴猪口[*] じぇる mal[*] は津美[*]

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