[コメント] 脱出(1972/米)
自然の脅威と見知らぬ土地の恐怖。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
自然を愛するがゆえ、ダム建設のためにきれいな川が消滅することを悔やみ、カヌーで川下りをする男たちは自然の脅威を肌で感じてしまう。自然を愛するがゆえに自然に復讐される男たち。その矛盾。ただ単に文明を批判し、自然は守るものであるという短絡的な発想ではなく、あくまで自然は人間にとって脅威を与えるものでもあり、自然と共存しながらも打ち克っていかなければならないという立場が前提になければこのような映画は撮れまい。
彼らはそれだけにとどまらず、見知らぬ土地の恐怖さえも感じてしまう。それはあたかも、未開というものを下に位置付け、なんでも文明という名を振りかざすアメリカに対する批判のようでもある。
終盤、安息を得たジョン・ボイトが食事中こらえきれずに泣き出してしまう。 彼らは友を失っただけではなく、その後の人生観も変わっただろう。それを取り戻す術は最早、ない。
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