でもその身勝手さはけして不快なものではなく、生きる力を与えてくれる。身勝手な男の最高形といえるんじゃないだろうか。最初のうち、志乃のあまりの陰鬱さに閉口し、何度も観るのをやめようかと思ったが、この前野の存在がそれを救ってくれた。

一方、この映画において真中瞳はちょっと力量不足を感じることは否めない。ところが観終わってみると、相葉志乃＝真中瞳以外は考えられない。なぜだろう。いつのまにかこの話にひきこまれ、自分の中でこの話が志乃＝真中の物語になってしまった。そんなに演技上手いと思わなかったんだけどな・・・ 逆にそんな「素」なところがよかったのかもしれない。

全体的にはこの過度に説明せず、役者の演技に物語を託す感じは嫌いではない。というか好きだ。ていうかこの映画、好きだ。

まあこんなコメントなんかどうでもよくて、とりあえずこの映画、みてみたらええんとちゃいますか？