[コメント] 別れの曲(1934/独=仏)
『さびしんぼう』に感動して、別れの詩という曲に思い入れがあった頃に深夜しんみりと見入った映画。確かに古い映画だったが、34年だったとは調べてびっくり。「別れの詩」というタイトルだとずっと思ってて見つからなかった。忘れられない名画の一つ。
芸術家ってのは、自らの心を削ってでも作品という形で自分を残そうとするものだ。それこそ、出会いがあれば「曲に出来る」ことを喜び、そして曲にし、別れがあれば「曲に出来る」ことを哀しみ、そして曲にし、新たな恋をすれば「曲に出来る」ことを喜び、そして曲にする。 そういえば、先日、ハワイで沈没事故があったちょっとあと、現地の日系ウクレレミュージシャンが追悼作品を発表して、遺族が涙を流していたが、作った本人は事故に大変な怒りと哀しみを持つと同時に、絶対に「曲に出来る」事件があってうれしかったはずだ。そう自覚はしてないかもしれないが、そう思う事が芸術家としての自然だと思う。ついでにいうと、そんな事を思ってしまう自分がいやだと自己嫌悪に陥ってしまった!っていうのを作品にするのが太宰治だ。
さて、数ある芸術家の伝記映画の中では『赤い風車』と並んで優秀な作品だと思う。が、この手の映画は主人公(つまり芸術家)に感情移入できるかどうかにかかわってくるので、大抵は評価されずじまいになるのがオチだったりする。この映画もそんな所なのだろうか?
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