[コメント] マタ・ハリ(1931/米)
スパイ映画だがスパイ部分の描写よりも恋愛劇に重点が置かれていて悲恋劇としてはなかなかよくできている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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任務のために接近したロシアの士官接と恋に芽生える女スパイの悲恋映画。
スパイもの映画らしくヒロインのマタ・ハリの緊迫感のある捜査シーンなどのスパイ任務の描写もあるが、全体的には恋愛エピソードにかなり比重が置かれていて敵国の人間にもかかわらず恋焦がれ職務との間で奔走する女スパイの姿が実によく描かれている。特に女スパイと敵国の士官という関係を超えてマタ・ハリが終盤で失明したロシアの士官アレクシスとの愛を貫くところはなかなか感動的だった。
またラストで任務中にミスをし銃殺刑にかけられてしまったマタ・ハリは最後までアレクシスを悲しまないように気を配っていて、刑の執行の寸前まで失明したアレクシスにわざと嘘を言って別れるところは悲しすぎる。
役者としてもグレタ・ガルボはまだまだ慣れなかったであろうトーキー映画においてなかなか感情表現に優れた演技を見せていてかなり頑張りが感じられる。ただ、彼女の容姿が妖艶すぎるのでマタ・マリの純情な部分のキャラが今ひとつ伝わりにくいところがある。またスパイという割にはスパイとしての有能ぶりがいかされているシーンが少なかった感じでこの点は役者の演技というよりも演出の問題だったかもしれない。
悲恋劇としてはなかなか優れた作品だが、惜しむらしくはラストのマタ・ハリのミスがどう考えても唐突だったところ。もう少し納得のできる展開にして欲しかった。
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