[コメント] 年下のひと(1999/仏)
邦題をみて、なんとなく悲しい結末を想像する先入観にわれながら苦笑する。ジョルジュ(ジュリエット・ビノシュ)のたくましさと、ミュッセ(ブノワ・マジメル)のまるで灯りに吸い寄せられて焼け死んでしまう蛾のようなはかなさのコントラストが鮮やか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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振り回されているように見えて実はジョルジュのほうがミュッセを振り回していたのではなかったのか。 ”自由は恐ろしい”というミュッセに、”抑圧は苦痛でしかないわ”と静かに語るジョルジュ。どこまでも自由に人を愛し、解放された存在でありたいと頑張った彼女にとても惹かれる。 ミュッセを受け入れ、包み込んで輝くジョルジュのオーラが、時に彼女を尊大に見せたのであろう、まだ若い愛人を不安に陥れることになってしまったのかもしれない。
若さを奢って、愛を逃したんじゃない。あなた方は、あの世でまた出会っても、同じことを繰り返す。 真実の愛は一度きり。そうだ。そんな風に燃えるためのエネルギーは、多分誰にも一回分しか与えられていないのだ。
1つ1つのシーンをスケッチに残したいと思うくらい美しい仕上がり。ジュリエット・ビノシュもブノワ・マジメルも、本当に素敵な表情をしていて、何度でも観たいと思う。実際に、ふたりは恋愛していたらしく、お芝居じゃなかったんだなあっていうところがなお素晴らしいというか、うらやましいかぎり。
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