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[コメント] 年下のひと(1999/仏)

年下のひとがいい。振り回し、振り回され、破滅にしか向かえない魂が堕落論していてかくも美しく。文学する人たちを文学的に描く映画に必須の、満載された光る台詞群にも圧倒される。
カフカのすあま

もう、どうころんでも「しあわせ」にはなれない二人の道行き。だけど、「しあわせ」など、どこまでいっても得られないのかもしれない。それを目標として追いかけてしまうと。おそらくは月を追いかけるようなもので、いつまでたっても「しあわせ」との距離は縮まらない。

ならば「平和(やすらぎ)」が得られる関係をめざすのか、それとも不幸がもれなくついてきても、つねに追いかけ追いかけられる、激しく不安定な愛情関係をめざすのか。ううむ。

されば、ということで、この映画は女子にはとっつきやすい。世の婦女子としましては、日常ではやすらぎを得ながら、たまにこういう映画でコイゴコロをそそられるという図式がいちばん安心。

だからきっと、恋愛映画の存在価値はここにある。

(評価:★4)

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