所詮「怪獣映画」なんてのは嘘っぱちの世界だ。だけどそんな嘘っぱちの世界に我々をどれだけ入り込ませてくれるか、どれだけ上手に騙してくれるか？ここが「怪獣映画・ＳＦ映画」のポイントだと思います。

前作の『ゴジラ２０００・ミレニアム』で今までのゴジラ作品すべてを「有り」にしてしまった東宝は、既に（またも）破綻した。もうゴジラを取り巻く設定を誰一人、順序だって説明出来なくなった今、苦し紛れか英断なのか真新しい設定を用意してくれたのが本作。

結果的に個人的には楽しめました。初っ端の「首都＝大阪」ってところで一旦は脱力しかけたものの、その後に続く1954年東京壊滅、1966年東海村原発襲撃、といった第1作目だけを「有り」にしたマニア好みの状況設定に「よっしゃぁ！」と膝を叩く自分がいたのです。

そりゃね、有り得ねーっていう「嘘」や恥ずかしくなるような「嘘」もたくさんあったけれど、なんかこう、スタッフの「上手に騙してやろう」「騙され易い環境を創ってあげよう」っていう気概だか熱意みたいなもんが伝わって来たんですよ。

この状況設定＝嘘がけっしてベストだとは思えないけれど、一度設定したのなら、とことん突っ走って欲しい。と思わせる1本ではありました。（星由里子と田中美里も良かったしね）

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って思ってたら、次回作『ゴジラ・モスラ・キングギドラ　大怪獣総攻撃』はこの設定は廃止されちゃったみたいだし、次々回作の『ゴジラ×メカゴジラ』は一転して本作と似たような設定（第1作目だけ有り）に逆戻り。

嗚呼、東宝よ！いったい貴方方はゴジラをどこに導いて行きたいのか？混迷するパラレルワールドはいつまで続くのか？