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[コメント] ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ(1998/英)

個人的には原題よりも邦題の方がいい。事実がどうこうではなく、このHilaryとJackieの物語は祭り上げられた天才<ジャクリーヌ・デュ・プレ>の影に押しつぶされた姉妹が互いを探し求める物語だからだ。そして姉が本当の妹を見つけたとき…
LOPEZ que pasa?

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 自分を支えた唯一の財産である「天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレ」の影が衰え始めたとき、妹はもがき、敵意を振りまいた。その敵意の中に姉がやっと、誰よりも愛情を必要としていた妹の本当の姿を見たとき、その愛すべき妹は永遠に失われた。しかし死に向かうことで得たたった一人の姉の涙にこそ、妹は救われるのだ。そして死して彼女は言う。「心配しないでいいの。全てうまくいくから。」  肉親の愛情の欠如ほど人間を病ませるものはない。愛の存在ほど救いの力を持つものはない。

 エミリー・ワトソンの演技、音楽が素晴らしい。

 タイトルを「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」とした日本のレンタルビデオは、芸術色・ドラマ色を出したシックなパッケージだった。対してアメリカ。「ヒラリーとジャッキー」。妖しく微笑み寄り添う姉妹の顔に、「全てを分かち合う二人の姉妹は、一人の男さえも分け合うの。」みたいなキャッチコピーが載っていた。私が邦題を選ぶほんとうの理由。

(評価:★4)

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