実は冒頭部での偶然の出来事がイントロとしてあまりに出来が良かったのも手伝って群像劇はあくまでも終末に向かう為の状況設定であると勘違いした。そう思った人多いんじゃない？

ではそういうスタンスでこの映画を観てしまうとどうなってしまうのか？各人物の性格、悩み、癒えない過去の精神的な傷を余り深く考えずに観てしまう事になる。テレビに映る天才少年のお漏らしが生放送でオンエアされそれがトリガーになりとんでもない事態になるって俺は想像していた。ってか、最後までなんか起こるだろうって思っていた。カエルが降ってもまだ。

そうするととにかく長い！オチがオチになっていない！という感想になるわけだ。つまり極論を言わせて貰えばあの冒頭部の話はなくても良かったのだ。唐突に終盤カエルとピストルが降ってきても全然かまわないどころか隕石が降ってきたり宇宙人が降りてきて「これ（拳銃）落としませんでしたクワワ？」でも良かったぐらいだ。（言い過ぎた）

又あまりに多くの登場人物を扱ったせいで彼らに感情移入する時間が足りなかったのも痛い（しかもプロットばっかり気にするとなおさら）。もしこの映画を長編の映画シリーズ（寅さんみたいに）にしたらおそらく俺はかなりはまる、そして泣く。例えばこの街の昔の話が出てくるわけですよ、彼らの過去が。そういった物がマグノリアPART1「別れ、今日は雷」辺りで描かれる。これがあって初めて元天才少年と現天才少年と司会者に繋がりが出てくるしトム・クルーズが『2001年〜』のテーマにのってさっそうと現れるチープな場面が笑えるのではなく泣けると思うのだ。

と言うことで長い、と言うよりむしろ短い。監督、あと９本ぐらいちゃっちゃと作らないだろうか？（毎回最後にカエルが降っても可。俺は宇宙人の方が良いと思うが）