[コメント] 愛情物語(1984/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ケーブルテレビの放送で鑑賞。ウチのヨメが「よく歌うけど観たことない」と言い出したんで暇に飽かせて観たんですが、実は私、公開当時に観てるんです。ま、お目当ては併映の森田芳光『メイン・テーマ』でしたけど。もっとも当時はボンクラ高校生でしたから、まだ映画にも森田芳光にも目覚めておらず、目的は薬師丸ひろ子でした。ええええ、私は薬師丸ひろ子ファンですよ。薬師丸ひろ子一代記語ったら長くなりますよ。語りませんけど。
少し前に、神代辰巳『恋文』でも書きましたが、この時期、倍賞美津子はいい女だった!10代童貞男子には大人の女の魅力はわからんかったな。今時「いい女」とか言うと女性蔑視なんですかね?でもね、「いい女」としか言いようがない。燃えろいい女。み・つ・こ。
なので、このツマラン映画を「倍賞美津子を楽しむ映画」に切り替えて観ようと思ったんですが、すぐ出てこなくなっちゃうんだ。原田知世とかいう小娘ばっかり映しやがる。もう、ずーっと、延々、原田知世のPV。やりたいことは確実に、この前年に大ヒットした『フラッシュダンス』なんですよ。それは、映画に目覚めていない当時の俺でも分かった。
そしたら渡瀬恒彦が出てくるんです。倍賞美津子とか渡瀬恒彦とかよく出てた時代だったねと思い、今度は他の映画を引き合いに出しながら二人がイチャイチャするのをニヤニヤ観ようかと思ったんですが、渡瀬恒彦と倍賞美津子がイチャイチャしてる映画が思い浮かばない。もしかすると無いのか?渡瀬恒彦なんてあんなにいろんな女優とイチャイチャしてんのに。十津川警部になってまでモテモテだったぜ。
なんてことを考えてるうちに、加賀まりこが出てくるんですよ。そしたら映画のトーンが急にホラーになるの。当時、映画のことなんかちっとも分かってなかったボンクラ高校生の私も「こりゃダメだ」って思ったもん。
当時ピンとこなかった作品も、後に見直すと素晴らしかったりすることが結構あります。 例えば前述した『メイン・テーマ』は、「二十歳の薬師丸ひろ子」というお題の企画物を森田芳光が「大人の階段を登る(初夜を迎える)物語」に昇華したんだと(大人になってみれば)分かります。また、根岸吉太郎『探偵物語』は「女子大生薬師丸ひろ子」というお題の企画物を脚本の鎌田敏夫が「恋に目覚める女性映画」に昇華したんだと(大人になってみれば)分かります。まあ、原田知世の映画のコメントで薬師丸ひろ子のことばかり語って恐縮ですが。
そしてこの『愛情物語』。当時はそのストーリーや描写などを「こりゃダメだ」と思ったものですが、大人になって見返すと「原田知世の魅力すらまともに描けてるかどうか怪しい」本当に酷い映画でした。
(2022.11.05 CS放送にて再鑑賞)
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