[コメント] サイコ(1960/米)
恐ろしいもの、汝の名は・・・
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
フィクションの動機づけとして、最も説得力があるものは「恋愛」だとずっと思っていた。
世の大抵のお話において「何故そんな事をしたんだ?」と言う疑問に対し、「だって、彼(彼女)に「恋愛」していたから」と言う答えほど、説得力のあるものはないと思っていた。高橋留美子の漫画作品などに顕著だが、その動機の前では、問答無用で道理が引っ込む。
でも、更に強力な動機づけを発見しました。それは、「母親の盲目」。
おかあさん・・・「あなたの事が好きなのよ」と言ううつくしい大義名分の元に、我が子の存在を根本から支配し、冒し、「あなたはこんな子じゃないはず」「あなたはそうではない、こうあるべき」と、まことしやかに一人の人間をつぶして行く。その時悪いのは、あくまでも「世間」や「社会」や、「他の人びと」。当人たちさえその異形に気付かない。ただ、訳も分からず苦悩に満ちた一人の「子供」が「いつまでも」存在し続ける。
どんなに我が子が苦しんでも、母親は手放さない。それが彼女の存在意義だから。
うううこわい!怖いよヒッチコック!凄いよホント!!
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