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[コメント] 実録・阿部定(1975/日)

*よい娘はけして真似をしないで下さい*
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







(大島渚版鑑賞前の感想)

阿部定という人の真実を俺は良く知らない。ただ杉作J太郎&植地毅編著「東映ピンキーバイオレンス浪漫アルバム」(徳間書店)の中の石井輝男監督のインタビューによると、彼女は監督のエログロ映画『明治・大正・昭和・猟奇女犯罪史』という映画に特別出演した折これを聞きつけた殺到したマスコミの熱狂ぶりに困惑したという。曰く「私、何か悪いことしたかしら?」―本当に天然だったらしい。今読んでる筒井康隆風に言えば典型的な”乱調人間”だったのだろう。(されど乱調・狂気と天才は紙一重。ならば阿部定は性愛の天才、愛を占有する天才だったとも云えなくもない。)宮下順子の迷いの無い演技はそういう定の天然振りを巧く捉えていたのではないだろうか。ヒッピーからピンク映画界に飛び込んだ彼女自体乱調人間に違いないのだが。

田中登の視点は真摯で真っ直ぐ定に向けられている。ロマンポルノ特有のこういう密閉感(とそれに伴う開放感)が俺は好きで堪らない。

(評価:★4)

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