[コメント] 新・男はつらいよ(1970/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
小林俊一作品の寅さんは主題歌も少しいつもと違う。
この作品では寅さんが珍しく名古屋の競馬場にいるのである。寅さんはたばこも吸わないし遊びと言えば「飲む」ぐらいだ。真面目な渡世人の寅さんが「ワゴンタイガー」という7歳馬に賭けて大金を手にする。
ワゴンタイガーとは車寅次郎の英訳らしい。競馬場で会ったタコ社長太宰久雄の止めるのも聞かず寅さんは「今日の俺はツイてる」と言って勝負に出てしまう。
一足先にとらやへ帰ったタコ社長が「寅さん全部スッたよ」とおいちゃん森川信「バカだねぇ」と話していると寅さんがなんとタクシーで名古屋から柴又まで帰ってきた。
「いくらだい」「2万9千円です」「車は安いな」(安っ!)
舎弟の登津坂匡章が旅行代理店に就職してハワイのポスターをとらやに貼っていた。
「おいちゃん。おばちゃん。どっか二人で旅行でも行ってきたらどうだい」「このハワイってのは100万あれば行けるのか?ハワイいいでしょう!行きましょう」(高っ!)
当時の世相が分かって面白いですね。しかしこの作品もまだ『男はつらいよ』の世界観が固まっていない印象を前作同様に受けます。
面白いエピソードはたくさんあるのですが「詰め込みすぎ」な印象が否めないのです。
また、さくら倍賞千恵子と寅さんのからむ場面が殆ど無くて『男はつらいよ』のウェットな部分の好きな人には物足りない作品だと思いました。
オドロキ桃の木サンショの木ブリキにタヌキに蓄音機だよ。あの部屋から下宿代とろうてのか?見上げたもんだよ屋根屋のフンドシたいしたもんだよ蛙のションベン。借りて戴いているコチラから銭を差し上げたっていいようなもんだよ。
メモ 公開日 70年2月27日 上映時間 1時間32分 併映作品『アッと驚く為五郎』
観客動員数 48万5千人 主なロケ地 愛知県 名古屋
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。