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[コメント] ネバーエンディング・ストーリー(1984/独)

原作の世界を、いや人物を、熱演した子役たちに拍手!原作を好きな人には不満もあろうが、映画としては上出来。最近DVD買っちゃった。てへっ。
terracotta

 はじめてこの映画を見たとき、私はまだ小学生だった。すでに、『モモ』や「はてしない物語」など、ミヒャエル・エンデの作品は日本語で読んでいたので、当時はこの映画に物足りなさを感じつつも、バスチアンと友達になりたいと思い、アトレーユにあこがれたものだ。

 そう、10歳足らずの小学生ですら、「物足りない」と感じたのだ。原作を知る人は歯がゆい思いをすることだろう。ここからが本番なのに、というところで終わってしまう。しかしバスチアンは良かった。非常によかった。本を読むのに一生懸命なところは、自分と似ているなと映画を見ながら何度もうなずいたものだ。

 時は過ぎ、アトレーユにあこがれた少女も大学生になった。たまたま第二外国語でドイツ語を勉強したので、一度原書を読んでみるか、と「はてしない物語」の原書を手に取った。辞書をひきひきではあったが、アトレーユではなくバスチアンに惹かれている自分に気づいた。それは幼い恋心ではなく、心の奥のところで誰もが持っている醜さ、人を信じる心など。迷いながらもひとつの道を歩いていくところだ。

 そして最近、DVDを買ってもう一度映画を見た。正直、買ってがっかりするのではと思っていた。何しろ小学生のとき以来、第1作はもちろん、第2作、第3作もまったく見ていなかったのだから。

 でも、彼らは20年近く前と変わらない姿で(あたりまえだ)変わらない感動を与えてくれた。本当に子役と呼ぶのは申し訳ないくらい、彼らは一人前の俳優であった。その後どのような人生を送ったとしても、この映画に出演したことは彼ら自身にとっても、その映画を見た子供たちと同じように、大きな意味のあることだったんじゃないかと思う。

(評価:★5)

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