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[コメント] 悪党(1965/日)

まさに乱世の道理。それぞれの立場で揺れ動く人々の心情を巧みに描いた傑作。特に乙羽信子の目くばせ(動揺)とか、一瞬だけズームアップさせる手法とか巧い。
氷野晴郎

 侍従役の乙羽信子の、のったりした演技といい、新藤監督といい。世界観の構築が上手すぎる。

映画にのめり込めるかどうかって「空気」の作り方が第一なんだけど、そこがとても上手で感心した。

それと同時に倫理観にも訴えるシナリオなんだ。誰が良いとか悪いとかではないんだよね。

高師直や侍従がきたないとかいうと全く違うし。強いて思うと、婚約をはねのける顔世にも非があるわけだし。

(評価:★5)

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