[コメント] ファーゴ(1996/米)
なんとも居心地の悪い映画であって、それがちょっと気持ち良かったりする自分がかわいい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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居心地が悪いのは、ワリアム・H・メイシーにどう対処していいか判らなかったからである。
彼のダメサラリーマンぶりや胡散臭い営業スマイルには、同情と怒りと軽蔑を覚える。身近にこんな人がいたら軽蔑するだけで終わりだが、この映画での描かれ方はそんなに単純ではない。彼を見下してやまない義父がブシェーミにブチ殺されるシーンではザマぁ見やがれと思ってしまうのは、メイシーに同情しているからであろう。
マクダーモンドもまた、良く判らない感じである。良き妻であり良き田舎者である彼女は、腹ボテで着膨れして動作は緩慢、愛らしくもあり、このウスノロめが!と軽蔑したくもなる。だが実は刑事コロンボ並みの切れ者であったりもする。
このように単純な感情移入を許さない人物像は、気持ち良かったり、だから何なの?と突き放したくなったりもする。
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