[コメント] パターソン(2016/米)
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私はジム・ジャームッシュが苦手だったんですが、最近やっとその作品の見方が分かってきた気がするんです。そんなもんだからリバイバル上映に足を運びました。
「オフビートの笑えないコメディ」と思って観るとだいぶ理解できる。特に本作は「オフビートの笑えないコメディ」だと思って観ると、すごくいい話。
詩もそうですし、イラン人の奥さんに黒人ばかりのバー、日本人の観光客という多人種とか、何やら意味ありげではあるんですけどね。「何か意味がある」と思って見ちゃうと「ナニコレ?」感満載。でも、「オフビートの笑えないコメディ」だと思って観ると、すごくいい話に思える。何がすごくいい話に思えるかは説明できませんけどね。それどころか、あらすじも見どころも伝えられない。伝えられないというか、ない。バカ犬に加えてバカ嫁までいて詩でも書いて気ぃ紛らさねーとやってらんねえ!って話?パターソン市で暮らすパターソン氏ってのがジャームッシュ的にはポエムだったのか?『ナイト・オン・ザ・プラネット』のタクシードライバーをバス運転手に置き換えただけなのか?
バスの故障のクダリなんか何のために存在してるエピソードなのか、「何か意味がある」と思って見てると腹立つと思うんですけど、「笑えないコメディ」だと思って観るとめちゃくちゃ可笑しい。
ああ、あとこの犬。パルム・ドッグを受賞してるそうじゃないですか。その存在を、つい先日『落下の解剖学』で知ったばかりですけどね。過去に『ベルヴィル・ランデブー』も次点で受賞を逃したらしいじゃないですか。まあ、どうでもいい話ですけど。
(2024.05.06 新宿武蔵野館にて鑑賞)
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