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[コメント] 放浪記(1962/日)

高峰秀子の仕草は桃井かおりと共通の倦怠感がある。林芙美子の文章を画面に取り入れた手法は、高峰のモノローグを補うだけでなく映画的にも効果的だ。(05・9・09)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 飯田蝶子が本郷の下宿の大家の役で出演している。若大将シリーズのおばあちゃんと同じようなキャラクターを演じていたのが可笑しかった。最後の加東大介と高峰秀子とが再会する場面では、絵描きの小林桂樹と結婚していた事が明らかになる。という事は「どんな男でも結婚相手はもの書き以外なら良い」といいながらも、絵描きというインテリを選んだわけである。しかも収入は作家と同様に不安定だ。加東大介は印刷工場を持って社会的に成功を収めている。警官に連行される時も「いい経験になるわ!原稿を大事にしてね」という扶美子は、自分の不幸を売り物にした作家だったのだろうか。加東大介は扶美子の仕事を理解しようとし援助もした。加東大介が「放浪記」でひどく書かれていたら冷酷な女だと思う。原作を読んでみたくなった。

(評価:★5)

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