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[コメント] ニンフォマニアック Vol.2(2013/デンマーク=独=仏=ベルギー=英)

壮大なブラックジョーク
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「どうも面白くない」と言い放ったVol.1から一転、終わってみればメッチャ面白かったように感じるのは私だけだろうか?ま、私だけかもね。

色情狂を“マイノリティ”に置き換えてみると分かりやすい。 何のマイノリティでもいい。とにかく何らかの“社会的少数派”だと思えばいい。

何故社会的少数派になったか、そこに理由はない。分かったような理由を付けることよりも、何ら理由のない方が真理だと思う。 そして当人は、いかに自分がマイノリティーか、それ故苦労し、差別を受けてきたかを語る。

そうかそうか、なんて話を聞いてくれる人が現れる。可哀想に、でもそれは君が悪いんじゃないよ、なんて同情もしてくれる。時には自分なりの解釈や助言を与えたりもする。 そう、人は一人じゃないんだ。きっと分かってくれる人がどこかにいる。

なんてシオラシイことを思わせといて、あっさり手のひらを返す。 「どうせお前、今まで差別されてたんだから、俺一人ぐらいいいだろ?」って。

ああ、嫌だ嫌だ。だから人間って信用できないのよ。だから俺、鬱になっちゃうの、とラースが言ってる映画。

もう少し高尚な言い方をすれば、“性”という本能に貪欲な私(主人公と監督)だけが精神的に“清廉潔白”で、そんな私に群がってくる人間はみんな汚れている、とでも言いたげな映画。

いやあ、壮大なブラックジョークだよ、これ。

(14.11.09 新宿武蔵野館にて鑑賞)

(評価:★4)

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