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[コメント] 仁義なき戦い 頂上作戦(1974/日)

それでも、昨日より若く。
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







(→→『代理戦争』のレビューから続く)

山守、槙原の非道振りに対決の決意を固めた広能は瞬間風速的な若返りを見せる。自分の主張を押し通すためならば孤立も止むなし、つまり「大義」をかなぐり捨て「小義」に奔ったのである。義弟・関羽を殺された恨みに燃える劉備元徳が賢臣の再三の諫言を無視し呉の孫権に攻め入ったように。

しかし若さは常に亡国の果実であった。愚かさの勲章であった。

彼の若返りは、多くの若者達の呼応を得、善戦し、敵に幾らかの脅威を与えたかもしれない、しかし、終わってみて周りを見渡してみれば、そこに残ったのは累々と積み上げられた若者達の死体の山と、疲れ果てた溜息ばかり。

戦乱に明け暮れるうち帰るべき祖国を失ったこと、その最中着実に身を太らせた老獪な他者のいること、それを思い知り憔悴しきった彼に吹き付ける最果ての地の風は、身を切るように冷たい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] ジョー・チップ[*]

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