コンピュータ管理されている動物園を壊して脱走した凶暴化した動物たちに襲われる街の人々のパニックホラー。

映画としてはヒッチコックの『鳥』のスケールが大きくなったような作風。

突如、凶暴化した動物たちが人間を襲い始めるというアイデアは面白いのだが、映画として見ると動物に襲われる展開にだいぶ苦慮したのか、何か動物が無理矢理人間を襲っているような違和感が感じられる。

特に終盤になって凶暴化の原因として麻薬による水質汚染という真相が分かるのだが、それなら汚染水を飲んだ動物同士ではなぜ殺し合わないのか、最後に汚染水を飲んだ子供たちが大人を殺す展開でもなぜ子供同士では殺しあわないのかが不自然。またこれだけの強い汚染度の水なら、個体差で飲んだ後に死んでしまう動物や人間がいてもおかしくない気がする。

ホラー映画に突っ込みどころを探すのも間違ってはいるだろうが、製作年を考慮すると麻薬に対する意識があまりにも無さ過ぎる印象。

シーン的には何体ものゾウが車に乗ったカップルを執拗に襲い、首を絞めたり、顔を踏んづけて殺すシーンはかなり笑えた。そこまでしてまで人間を殺したいのか。