ヒッチの『疑惑の影』は未見ですが、彼には（というかその世代）根底に倫理観or品性があったと思うんですよね。ヒッチが現代に生きていたら何でもありのエログロ映画撮ったでしょうか？？

作品については、最初に簡単に老婦が死にすぎ。 冷凍庫の死体を見てもほったらかし。 公衆電話ＢＯＸで亡くなった親戚の老婦は、捜索願出て捜査されるのでは？ 男子学生も、二人で出かけた目撃証言はあるしもっと捜査すべきでしょう。

特にラストが全く面白くない。自分の本性を知って、母を殺そうとした叔父を殺すのはいざ知らず、行きずりの警官殺しをやって何が面白いのだろう？？？殺しの興奮が冷めやらず、って意味なの？

殺しが快感だという人間が世の中にはいるのでしょう。でもそれをメインテーマにするならどう落とし所をつけるのかも大事だと思うんですよね。

快楽至上主義で、それでも生を選択するのなら、もっと慎重に獲物を狙うべきで、こんな手当たり次第は意味をなさないのでは？

殺人鬼には相応の罰があると言うなら悲惨な末路を描くべきだと思うんだけどなあ。 仮定として「快楽」だけが全てで道徳や宗教や親子愛・人類愛など糞くらえというスタンスがあってもいいとは思うけど、では「快楽」のみでＯＫなのかという試行錯誤はあってしかるべきではないでしょうか？

どんな言い訳をしても殺人嗜好者が芸術や美として認知される正当性は無いと思うんですけど・・

なんだかとても不愉快な映画でした。。。好きな方、ごめんなさいね。