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[コメント] ハードロマンチッカー(2011/日)

ハードボイルドというよりハーフボイルド。半自伝ウンヌンより任侠映画的エンターテイメントとして観た方が楽しめる。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







かねがね東京スカパラダイスオーケストラの曲(特に初期作品)は映画に使えると思っていたんだが、どういうジャンルの映画に向いてるかはよく分からなかった。これが正解。ハードボイルドじゃなくて半熟卵くらいに向いてる。ハードボイルドは、スカよりもジャズ寄りな感じ。 エンディングの黒夢も含め、この監督の音楽センスは嫌いじゃない。

なんて話はどうでもいいとして、私は結構楽しく観たんですよ。特に役者。旬な(あるいはこれから期待の)若手がたくさん出ててね。『セント・エルモス・ファイアー』みたい(そうか?)。アックンも出てるし。遠藤要も貫禄出てきたし。芦名星はもったいねーな、今が旬なのに。鈴木砂羽みたいになれるのに(<そこか?)

半自伝的なストーリーだとか、『パッチギ!』的な在日がどうのこうのよりも、エンターテイメント的なストーリー展開、言うなれば任侠映画に似た面白さがあった。というか、そう楽しむのが正解な気がする。 だって、メインテーマがスカなんだから、そんな深刻な話じゃない。

ただ、もったいないと思う所も多々ある。 主人公を追う三者が特に絡むことはなく、これはもっと練り込んで、『用心棒』みたいに敵同士がいざこざを起こすことで主人公が難を逃れたりすれば、もっと面白いのに。 鍵を巡って、あっち行ったりこっち行ったり、『百萬両の壺』みたいになればもっと面白いのに。

暴力的な面で賛否意見が出るだろうが、少なくとも主人公のふるう暴力は、言葉よりも雄弁にその「感情」を物語っている。 もしかするとこれは、「暴力」で「感情」を伝えようとした映画なのかもしれない。

(11.12.17 渋谷TOEIにて鑑賞)

(評価:★3)

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