[コメント] 愛する人(2009/米=スペイン)
女って判らない…
『彼女を見ればわかること』以来、久しぶりのロドリゴ・ガルシア作品である。
『彼女を〜』については、登場人物たちがそれぞれに抱える悩みや葛藤がアンサンブルをなし、表層部分だけでは判らない、人間が胸の奥に抱える不安定な感情を役者陣の「表情」と「仕草」だけで描いてみせた静かな秀作だったと記憶している。特にホリー・ハントがむせび泣くシーンには、生理的にひっぱられて、僕も泣いてしまった。
さて、そんなわけで本作だが…
いやぁ、全然理解できなかった!勝手に断言させていただきますが、自分のような男性には少し判りづらい映画なのではないだろうか。
だって、日常生活の中でさえ、しょっちゅう女性から「女心が判ってない」的な指摘をズバズバいただいている小生ですから、そりゃ、人生一大事である「出産」やら「養子」といったより深層的な問題にぶちあたったときの女性の思考回路やら挙動についてはもう完全にノータリン状態ですよ。
決して監督の演出や脚本が下手なわけではないと思うんです。むしろ、丹念に、真摯に作品世界を描こうとする作り手の姿勢が伝わってきて大変好感さえ覚えるんです。
でも、僕には判らない。
なんで、ナオミ・ワッツはベランダでパイオツを隣のボンクラにひけらかしてんだ?なんでそのボンクラとセックスした挙句、彼の奥さんの下着入れに自分の下着をまぜてんだ?なんで、アネットベニングは果物もらってそんなに怒ってんだ? なんで、あれほど子供に興味なさそうだった若い代理母は突然子供を手放したくなくなったんだ?
すべてが判らない。
そんな映画でした。
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