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[コメント] ヒックとドラゴン(2010/米)

オーソドックスに、嫌みなしに胸を打つ良作。しっかり子ども目線で作られてるところが実は珍しいように感じ、こういう作品を少年たちにぜひ見てほしいなと素直に感じた。(2010.12.26.)
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ものすごくオーソドックスな物語なのだが、決して浅い話ではないし、素直に胸を打つ作品。そういう作品って、実は昨今では珍しいんじゃないかな?

3Dアニメーションの創造性という意味では、本作を制作したドリームワークスよりも、良作を連発しまくるピクサーの方が上だと思うのだが、もちろん素晴らしいピクサーのアニメーションにちょっとだけ欠けてきているものを、この『ヒックとドラゴン』は持っていたように感じた。

それが、子どもの目線。

同時期の公開の『トイ・ストーリー3』は傑作だし、大人になった我々が見ると過去のおもちゃへの思いがフラッシュバックしてきて込み上げるものがあるのは間違いないのだが、その感情って小さな子どもはまだ持っていないものなのだ。だが、本作の場合、一貫してヒックの目線で物語が捉えられていて、それがすごく好印象だった。父親に認めてもらう過程もそうだし、臆病を勇気に変えていく成長もそうだし、少年が素直に見るのに適したエンターテイメントってこういうものだなと感じました。

ヒックがトゥースに乗って空を飛び回るシーンの映像の爽快感も素晴らしい。『アバター』にも同じ感覚を味わえる素晴らしい飛行シーンが存在するが、子どもたちが見るなら本作の方が望ましいだろう。上映時間も手軽であるし、「共存」という『アバター』と同じテーマもわかりやすく感じることができる。

ラストシーンが秀逸で、左足が義足となったヒックと、もともと左尾ひれを失っていたトゥースを後ろから捉えた画面にグッと来ました。ヒックもトゥースも、完璧ではないのです。そんな彼らが、みんなを救っている。自らのことを臆病だと認めた結果、それが勇気につながっていた。すごく等身大な物語、それがストレートに心を打ってくれる。

ドラゴンのビジュアルがちょっと・・・と思っていたが、トゥースはあのビジュアルでなければダメだなと今では思い直しました。

(評価:★4)

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