[コメント] 借りぐらしのアリエッティ(2010/日)
ジブリはアニメーターは生むが、ストーリーテラーは生まない。ゲドで壊滅的打撃を受けた作画クオリティがようやく戻った今、宮崎駿とどう付き合うのか、ジブリは組織として考えなければならないと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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冗長な前半、拙速な後半。全体に横たわる説明不足。予告編を観た時に、ようやくジブリが及第点の作品を世に提供してくれるかと思ったが今回もきっちり裏切られた。力をおくべきなのはスピラー登場以降の話の展開であろう。何を人物・設定紹介に徹すればよい前半に注力をしているのか。
ジョン・ラセターが制作の第一線から引いても『トイストーリー3』をあそこまでのクオリティに仕上げてきたピクサーの勢いを見せ付けられた今、宮崎駿以降の才能が全く出てきていないジブリの現状は薄ら寒さすら感じる。ここまできて宮崎駿にこだわるのなら商業映画を止めてしまうのも手だと思う。美術館用の短編だけ作るスタジオに特化するのも手だろう。
日本アニメと言う観点であれば、すでに細田守・原恵一という才能が世に出ている。ジブリは身の振り方を考えるべき時期に来ているのではないか。長編をやるのであれば宮崎駿は一切関与できない環境で脚本を外部委託し、単純なアニメスタジオとなるか、ピクサーと提携してジョン・ラセターに製作総指揮を委託するか選択すべき状況であると思う。
なんというか、頑張ってください。
(2010.07.19 109シネマズ川崎)
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