一番象徴的なのは翔とアリエッティとの小人と人間に関してどちらも傲慢に言いあう場面。まぁ不完全な人間が変なことを言うというだけであればドラマツルギーというものかもしれないが、自分のせいで小人を危険にさらしたアリエッティの傲慢発言と小人のことをどこからどんだけ知ったかわからないがなぜか「小人は滅びゆく」と自信満々に断言する翔のぶつかり合いが、どんだけ物語を台無しにしているか…。そんなところになまじっか大きなドラマだったり思想だったりを押しこんでしまうからダメなんだ。ラストの別れも感動のセリフなんぞ要らんと。

まぁ、脚本のつじつま的な意味でのイマイチな点は色々言われているが、最近のジブリはそんなんばっかりでまぁわざとやってるもんなぁ。病弱とはいえ人を個室に鍵かけて閉じ込めておいて、二階からぐらいだったら屋根から下りて出てくるとか普通にあるだろ。

ちなみにTV(2011年12月)で見たのだが、一番ひどかったのはTV独自のテロップ、終盤に出てきた「翔とアリエッティの恋の行方は？」みたいなの。どこが二人の恋物語だ。TVバルス。