[コメント] セックス・アンド・ザ・シティ2(2010/米)
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前作でいろいろあった結果、ついにビッグと結婚というハッピーエンドを迎えるキャリー。いわば、今作はもう終わってしまった物語の続きを描くストーリーなので、どうしてもわかりやすさからは離れていく。
華やかなエンターテインメントのはずが、倦怠期のリアリティを描かなきゃいけなくなるわけで、しかもそこに出来上がったキャラクターたちの魅力も散りばめて、従来のファンを楽しませる工夫までしなきゃいけない。そう考えると、本当に良くまとめた映画ではなかろうか。やることが多い分、前作同様に随分と長いのは否めないが、それでも全編堪能できる作りにはしっかり収まっていた。
ニューヨークが舞台であるはずの物語は、アブダビへと足を伸ばし、そこで多くのエピソードが展開されることになる。結婚後の倦怠期や過ちといった地味になりがちな物語を描く上での派手さ演出のためだけかと思ったが、じっくり見ていくとアブダビを舞台にしたことも結果的には効果的に働いた気がする。
元恋人とのアブダビでの再会によって、一度のキスという過ちを犯すキャリー。アブダビというイスラム圏でタブー視される解放的な性を、いつも通りに表現してビーチでキスしたことにより拘束されるサマンサ。この異国の地でのふたりのそれぞれ何気ない、でも意味ありげなキスが物語をうまく深めたなと思った。
メインストーリーはキャリーとビッグがどう結婚生活に新たな価値を見い出すかだが、そこにサマンサの豪快なセクシャルジョークの数々が加わっていくことで、真面目なシーンが際立つようにもなった。サマンサに笑いつつ、エキゾチックな舞台に魅せられ、キャリーにちょっとホロっとさせられる。
しかし、やっぱりサマンサのセックス教は天才的でした。前作での女体盛りに続き、水たばこをオーラルセックスばりに「吸う」姿に今回も大爆笑でした!
ついでに、『或る夜の出来事』の名ヒッチハイクシーンをブルカの女性にさせてしまうという大胆さ、こういうオマージュは映画ファンとしては結構うれしかったりしますね。
いくつになっても女性たち万歳、そういう感じの映画です!
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