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[コメント] ウルフクリーク 猟奇殺人谷(2005/豪)

思わぬ広い物。荒野の殺人鬼映画といえばそれまでだが、オーストラリアの壮大な大自然をバックに繰り広げられる殺戮は、言葉は悪いが美的だ。意図的な画、カメラワーク共に印象的。もう完全にイカれた親父と大自然に流されるまま終焉…
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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怒涛の展開を迎えることなく…途方も無い砂漠のようにいつのまにかエンディングを迎える。深紅の夕日と親父のバック。バッドエンドながら、その自然の美しさに目を奪われるなんて。完全にこの作品のいけにえになってるとしか思えないわけですが(苦笑)。

真っ先に反攻したリズが真っ先にヤられ、逃げ惑うクリスティは「ヒッチャー」ばりの最期を迎えた。逆に何も出来なかったベンだけが運良く助かるという皮肉な結末は、ある種ホラーの掟みたいなお約束落ち。個人的にはミック親父との(アメリカ的な)一騎打ちを見たかったとも思うが、実話ベースのストーリーをリアルに描くにはこの落ちで正解だろう。もちろん、まさか彼だけが助かるとは考え辛い展開だっただけに、そのギャップも味わえる。

ショックな場面は少ないし、比較的おとなしい描写であるが、親父の存在は十分に心拍数を上げてくれた。掴みどころの無い人物像は不気味だし、正確なライフルのショットはさすがにおっかない。唯一、人物背景の希薄さに快楽殺人の重みは全く伝わってこない。そこはもっとリアルに追求するべきだった。実話ベースなんだから尚更。

それでも、結構な広い物。製作費わずか100万ドル。しかし興行収入は1600万ドル以上の大儲けなのも頷けます。

(評価:★3)

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