[コメント] 夜更かし羊が寝る前に 君を捜しに行くまでの物語(2008/アイルランド)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ミシェル・ゴンドリーやチャーリー・カウフマンらとの比較は避けられないだろう。はっきり言って才気と言うか爆発力みたいなものは彼らに劣る。が、それを補って余りある「親しみやすさ」と「嫌みのない可愛いらしさ」が、この映画にはある。「エイミー・ハバーマンがさ〜、顔もかわいいけどさ〜、とにかくキャラクターが個人的にド真ん中ストライク過ぎて、もう腹立つぐらい好きなんですけど!」・・・と言いたい気持ちをグッと抑えて、コメントを続けよう。もちろん親しみやすいだけでは良い映画にはならない。この映画には親しみにくい(色々な解釈が出来る)要素もたくさん含まれている。例えば・・・、
病院内でトイレを探すルシンダを見つけた医者のジョン。これが「現実」だとしたらルシンダは自分で包帯をとったのか?
同じように病院内をうろついていたダニエルを見つけたイザベル。包帯姿のルシンダと比べれば、点滴とモニターをはずせば良いだけのダニエルを見たというのは、まだちょっとは現実的な話ではある。だが、その様子はカメラには映っていなかった。つまり、ジョンとイザベルの見ていたものはやはり「現実」ではなかった?
もし「現実」でなかったのなら、ダニエルとルシンダの「夢」をジョンやイザベルも共有していたということ?
「トーキョー」て・・・、日本好きなん? 『ロスト・イン・トランスレーション』でも観たのか? っていうか、なんで二人とも日本語しゃべれんの?
などなど。え〜・・・、疑問点挙げてみて気づいたが、これ親しみやすいどころか親しみにくい映画かもしれないな。ラストも普通に解釈すれば、ダニエルは覚醒したもののルシンダは死んでしまったということになるのだろうが(ショックを与えないために「現実」にはルシンダという女性はいなかった、と関係者の間で口裏合わせが行われたと思われる)、だとしたらイザベルは何故ダニエルを逃がした? ダニエルに向かって手を振るイザベルの後ろにはジェフリー(ダニエルの「夢」の中でのジョン)が立っていた。つまりは、まだ夢の中?
90分を切る上映時間で、そういった意味でも複数回の鑑賞に堪える作品である。
何度も観れば、真実に辿り着けるのだろうか。
君を見つけられるのだろうか。
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