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[コメント] インフォーマント!(2009/米)

この事件はストレートに映画化すると相当重くなるのでコメディチックにしたのは正解だろう。鑑賞中と鑑賞後で印象が大きく変わる珍しい作品である。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ある大企業の重役が自分も関わっているカルテルをFBIに告発しました。しかし、その重役は双極性障害だったのですというストーリー。本作はウィテカー(マッド・デイモン)がその患者であることを最後の最後まで明かさないので、その瞬間まで本作はコメディとして成立している。そのためウィテカーに関わらざるを得なくなった人が何度か見せる「鳩が豆鉄砲を食らったような顔」が面白い。それが明かされた後は、面白くもなんともない「単なる重い話」に変わる。

だが、ソダーバーグ監督はあえてそれを狙っているようにも見える。笑える仕組みを用意しながら最後に「これでも笑えるか?」と切り返しているようにも思える。内部告発者を描いた『エリン・ブロコビッチ』を撮った監督が双極性障害という情報をひた隠しにし、ウィテカーを笑えるキャラクターにした意味はその落差にあるのではないか。

であれば、本作はなかなか強烈なカウンターパンチを見舞ってくれている。なかなか面白い作品である。

(2009.12.06 109シネマズ川崎)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ペペロンチーノ[*] 牛乳瓶

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