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[コメント] The Audition メトロポリタン歌劇場への扉(2008/米)

アンジェラ・ミード嬢にサインもらいました。これ自慢ね。[Bunkamuraオーチャードホール (TIFF2008)]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ドキュメンタリー作品なのだが、登場人物たちが画一的でなく、いろいろな個性が揃っているのが面白い。

例えば、いかにも才能があるという風のアレック・シュレイダー。爽やかな好青年だし、実力も備えている。ドラえもんでいうと出来杉君みたいな感じ。

一方でマイケル・ファビアーノはズバリ言って悪役かな。それなりに出来るのにちょっと小狡くて、みんなで一緒に頑張ろうというよりも「他人を蹴落としてでも自分は這い上がってやる」というような考え方の持ち主。こちらはスネ夫タイプ。

しかし、そんな中でも個人的に一番共感を抱いたのは、素質はあるんだが今ひとつ突き抜けられないライアン・スミス。カード破産の経験もあり、立場的にはそれほど恵まれていない。最終予選でも通過できるかどうかという危ないところにいて、とても安心なんかしていられない。それでもコツコツ努力するタイプで、最終的には見事にファイナリストの座をつかんでみせるのだ。彼につきっきりで面倒をみてきたボイストレーナーが、最終予選の彼のパフォーマンスをモニタ越しにじっと見つめていて、終わった瞬間にガッツポーズを見せたシーンには鳥肌が立った。

この3人のみならず、ファイナリストとなった6人全員、そしてもちろん、他の予選参加者たちみんな、将来それぞれの場で活躍することを期待します。

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※このコメントを書くにあたって知ったのだが、ライアン・スミス氏は2008年11月に悪性リンパ腫で急逝していたとのこと。言葉もありません。御冥福をお祈りします。

(評価:★4)

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