例えば、あの女性がシャツを脱いだ理由が「包帯男に強制された」というのでは、その時点で破綻である。エクトル1が目撃していたからエクトル2が「再現」しなければならなかった・・・、という話が本気で通るとでも思っているのだろうか。これでは、エクトル2が「再現」するからエクトル1が目撃しなければならない、ようなものである・・・、ああ、めんどくさい！　タイム・スリップ映画に矛盾はつきものではあるが、ちょっとこれは根本的に問題がある。

ただ、この監督は映画的な基礎体力はあるみたいなので（序盤の30分はしっかりした作りで良かった）、違うジャンルの作品は観てみたい。前述した中盤の「辻褄合わせ」で、指で双眼鏡を作り「見〜つけた！」を自分で再現しては「あれ？　"オレ"いないのか・・・」とやり直すシーンはちょっと面白かったので、この監督のコメディとか観てみたいな。