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[コメント] チェ 39歳 別れの手紙(2008/米=仏=スペイン)

坂道を転げ落ちていくだけの話
疑話

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







キューバに家族も地位も富も置いてきたのは、チェがそれらよりも革命にこそ価値を感じていたからだ。キューバ革命の成功によって彼は自らの正義にえらく自信がついたし、革命家としての自分に酔いしれるようになっていたのではないか? だが、ボリビアで彼の正義を受け入れた人々はほんの一握りだった。何も思い通りにならず、失敗ばかり。最後には捕まって、見張りに向かって縄をほどいてくれと情けないことを言う。

うまくいけば調子に乗るし、失敗続きだと落ち込んでダメになっていく。人間として当たり前のことだ。ただ、これは革命の話なので、挫折した人間に立ち直る機会は与えられない。革命にとりつかれた迷惑なおっさんはただ殺されるだけだった。

ちなみに私は前知識皆無の状態でこの二作品を観ました。正直、おもしろくありませんでした。part1にはサクセスストーリーとしておもしろくできる要素はたくさんあったのにあえて地味にして、ただ負けるだけの話であるpart2をわざわざ制作している。ここにアメリカ人の悪意を感じました。

(評価:★3)

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