[コメント] 未来を写した子どもたち(2004/米)
こういう活動をしている人は、劇中に出てくる少女の言葉にちゃんと答えられるようにしておかなければならない。本作には、この言葉に正面から向かっているシーンがないのがとても残念である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「お金がほしいとは思わない。どんな環境でもそこに幸せはある。順応しないと。」
劣悪かつ希望が見えないと思われる世界の中で生きる子供達にこう言われた時、そこから「救い出そう」とする人はその子供が納得できる答えを用意しておかねばならない。しかしながら、本作ではある少女がモノローグで語るのみであり、誰もこの事に対応しない。活動をしている彼女らが撮影スタッフも兼ねているのだからちゃんと対応しなければならない。これは活動の根本に関することであり、いじらしいで済ましてはならないのである。だからこそかもしれないが、最後に語られる子供達の選択は活動をしている彼女らの思い通りにいっているとは言えない。確かに何もしないより何かしたほうがいいだろう。実際、何人かは売春街の「アリ地獄」から抜け出しつつある。その事は評価されるべきである。だが、彼ら彼女らの笑顔を見ていて、もどかしさを感じたのもまた事実である。
そこに夢はあるか、希望はあるか、そんなことを感じた鑑賞だった。
(2008.11.23 シネスイッチ銀座)
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