殺し屋組織から命を狙われる赤ちゃんを守る男のアクション映画｡

秘密裏に計画のために誕生させられた子供が口封じのために命を狙われ､それを主人公が守るという展開は『ウルトラヴァイオレット』に近いが､そんなストーリーのマンネリ感を主人公スミスが全編に渡って繰り広げるリアリティを無視した派手なアクションシーンが覆し､非常に面白い作品となった｡

序盤の赤ちゃんの救出､主人公の家からの脱出､敵の銃会社への突撃など､ともかくどのシーンも斬新なアクション演出満載で実に飽きさせない｡

主人公がニンジンで人を刺して殺すとか､一部現実感に乏しい描写もあるのだが､クライブ･オーウェンが堂々と演じているので､妙にかっこいい｡『シン･シティ』もそうだが､クールながらどこかコミカルな一匹狼キャラを演じさせるとクライブ･オーウェンはなかなかいい味を出す｡

キャラの持ち味が売りの作品にしては､キャラの過去の経歴などの掘り下げが弱いのは難点だが､ストーリー度外視で今年のアクション映画としては『ランボー 最後の戦場』と並んでベスト１に挙げたい作品｡