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[コメント] キサラギ(2007/日)

やっぱり"答え"のある理屈的な映画よりも、"想い"のある感情的な映画の方が私は好きだ。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私は正真正銘のアイドルおたくです。自他共に認めるじゃにおたです。毎年毎年ツアーが始まると、大都市はもちろんの事、広島や新潟といった地方にも顔を出す。白状すると、松潤にファンレターだって書いた事ある。(これは恥ずかしい!)20代の頃はファンサイトを運営していて、そこでネット友達も沢山作った。今でこそじゃにおたは珍しくもないほど蔓延してますが、蔑まれていた頃から(もしかして今もか?)ずーっと湿地帯みたいなところに生息していたうちの一人です。恐らく筋金入りってヤツだと思う。

だからこそこの作品を観るのが楽しみだったし、ものすごく期待もした。けれどもこの作品が最後に描いたのはロマンチシズムであり、私の求めるものではなかったんです。てゆーかおたく男子はマジこんなので感動したりするのか!!と正直ビビッた。

多分、男と女ではアイドルに求めているものが全く違うんでしょうね。確かに見返りを求めないという点では同じだと思う。でも私たちがアイドルを応援している理由ってのは、結局自分が楽しいからなんですよね。楽しませてもらっている、元気をもらっている、生きる糧となっているw・・・と言った具合に、お金を払ってメンタル面の充実を図っているんですよ。私たちは。だからラストで命より大切なファンレターとか言われても、はっきり言って全然ピンと来ないし、むしろ自分が出したファンレターのせいで逃げ遅れたなんて事になろうものなら、一生自分を責めるだろうし、それこそ周りから一斉制裁を受けると思う。でも男子にとってはこれが理想形なのか?本当におたく男子はこんなお花畑ヴィジョンでアイドルを見ているのか?と、矢口おたにでも聞いてみたい。とことん聞き詰めたい。

また、オフ会に身内が来るなんて事自体、失笑モノですよ。どんだけ空気読めてないんだと。いくらC級アイドルだからって、身内がそこまで必死に応援するか?そりゃ個人差があるかも知れない。身内の必死っぷりは。でも身内が踏み込めない領域ってあるでしょ、絶対。そこにドカドカ踏み込んでくるなんて、おたく権侵害だ!雑貨屋の店員は許せる、百歩譲ってマネージャーもまぁ許す(犯人探しという事を慮って)。でも父親はない。幼馴染なんてもっての他だ。ファンを舐めるな。これ男子アイドルを応援している女子のオフ会だったら、違う意味でこの会は修羅場を迎えてますよ。

なんだか"おたく"というものを、映画を面白くするための単なるキーワードとして扱われたような気がして、嫌な気分になってしまいました。

でもそれなりに楽しめたのも確か。ずーっと変な違和感を感じながらも、謎解きに夢中になっている自分もいたりして。けれどもやっぱり"答え"のある理屈的な映画よりも、"想い"のある感情的な映画の方が私は好きだ。

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09.05.27記(09.05.20DVD鑑賞)

(評価:★3)

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