[コメント] アートスクール・コンフィデンシャル(2006/米)
テリー・ズウィゴフのど真ん中直球作品。アートに殺人事件を絡め、更には美意識だとか恋愛観だとか…最後まで軽やかに投げかけてくる。枠に嵌った一般的な「定義」って何なんだろうね。ブラックで皮肉めいた笑いが枠の境界線をにごしていく。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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いかにもズウィコフらしいというか、あまりにこの監督が撮りそうな作品すぎて逆に難しいお話になってしまっている。どうしても平凡な青年の恋愛物語だとは思えない。話には(殺人事件が起きていたり一目ぼれの女の子に夢中のはずなのに!)抑揚はないし、まさにジェロームの暗い表情が全面に押し出された、それが作品の表情にもなっているような印象を抱かせるのだ。
最後の最後でとりあえずのハッピーエンドになり、ジェロームの微笑みが作品に一筋の光をもたらす。それは爽やかな気分に浸らせてくれるし、作品を振り返ってみようという気をも起こさせる。でもなぜだか、僕にはズウィゴフの語りかけるようなエピソードの数々が繋がっていかないところが退屈に感じたりもする。1本の映画として。しかし、「俺はこう思うけどお前はどうだ?」というような投げかけに思わず反応したくなる、そんな「良い作品」でもあると思うのだ。
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