コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 市川崑物語(2006/日)

岩井俊二は悩んでいる。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







なんで、そう思ったかと申しますと、この映画の作り方が大島渚の『忍者武芸帳』と類似しているとこと。そして市川崑監督が愛した、妻和田夏十さんに対する思い入れが、ご自身の環境と重なっているのではないか、という推測からこのように思いました。

岩井俊二監督が『Love Letter』で一世風靡して、『リリィ・シュシュのすべて』で頂点を極めるまでのプロセスが、大島渚監督の「創造社」設立から軌道に乗せるまでの軌跡とシンクロするからなんですね。岩井俊二監督は、とても悩んでこの作品を作っていたのではないでしょうか。画面の奥(コメント)からそれを伝えようとする意思が伝わりました。

これは映画です。

そして映画として評価されるべき要素を十分取り入れています。

そして何よりご自身の意思で、この映画を作ろうとする感覚が伝わりました。

特に最後にご自身と市川崑監督がインタビューしたときのことを語っていますね。

このあたりが岩井監督の繊細なところですね。

しかし、市川崑監督のデビューがアニメだったのには驚きました。

そして何気なく見ていた『犬神家の一族』のカット割の見事さが、どれほど衝撃的であったかが、丁寧に表現されていました。

有難うございました。

2009/12/28(自宅)

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。