[コメント] 隠し砦の三悪人(1958/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
もともとイヤというほどそらぞらしいクロサワ作品群の中でも最もそらぞらしい作品。冷静になって見てみると「なんで?」というシーンの数々に驚かされます。
クロサワの映画的感覚、それはミフネとフジタの槍のバトルとかに表出されてるうです。音もなく「たぁー」とかいって結構しつこくこのシーンを見せてる。これ最後になって「ああ、なるほど」ということでつながってるんですね。実に巧妙且つエグイ。
チアキとカマタリが『スター・ウォーズ』のC−3POとR2−D2だったというのは有名なエピソードでありますが、要するにこのあたりからクロサワ作品は時代劇とか活劇を相当意識した作品を作りたいとおもっていたみたいですね。順調に進んでいた撮影が台風の影響で数ヶ月延期となり、この後東宝からつまはじきにされたきっかけの映画とも言えます。
でも画面の隅から隅まで見事に演出し尽くされたこれらの作品ですが、数あるクロサワ作品の中で最も馴染みやすく、まあ言って見れば幼稚な作品といえます。
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久々に新文芸座で鑑賞しました。
この話の最後の転換がどうしてもイマイチ納得できなかったので、今回は姫を中心に見ました。
美人ですよね。上原美佐さん。
寝姿などはぞくぞくしました。
そして最後、彼女が敵将と対峙するシーン。
あれが決定的だったんですね。
三船敏郎と藤田進の対決というのがこの映画のクライマックスになっていたりするんですけど、姫は部下をどのように慕っているかにつながる見事な展開。
こういう展開を理解できないと、映画は面白くありません。
実は、東北の大地震以来、映画を見る気力を失っていて、元気がでなかったんです。
被災地の皆さんのご苦労などを思うと、映画を見ている精神的余裕すらありません。
こんなときは、温故知新。昔の映画を大画面で見て、元気をいただくのが一番ですね。
新文芸座で見たこの映画と『用心棒』で、少しだけ元気が取り戻せそうです。
2011/03/27 新文芸座
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