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[コメント] ダウン・イン・ザ・バレー(2005/米)

解釈はいろいろあれど、深読みせずに観たままを感じてみたい作品。彼にとって理想や虚構だった世界が、一瞬にして我に返る感覚はよくわかる。痛々しい感覚が胸に響く。ただお話として決着が付いたように思えない。ちょっとヒントが少ない
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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英雄に憧れていた子供が成長して大人になったならまだしも、精神面が子供のままだから、外面では大人のように振舞っても内面をほじくり返すとこうなってしまうものなのか(過剰だけど)。そんな描かれ方は悪くない。エドワード・ノートンの抜群の演技力と存在感もかなり助けている。エバン・レイチェル・ウッドもめちゃくちゃかわいい。

カウボーイの真似事(単純に言うとごっこ遊び)をしている最中、隣室から茶々が入れられるとわめき返す。彼が一瞬にして現実世界に戻ったわけで、その様はまるで子供だ。他にも馬にまたがってカウボーイの気分を味わっているた際、彼を不審な目で見つめる1人の主婦がいたが、そこで彼は警戒するように、また怯えるように逃げる。これも同様。つまり、彼は子供のロニーとしか付き合わなかった理由がそこにある。しかもロニーは友達のいない少年であり、13歳より年下に見られてもおかしくない精神的な内面の持ち主である。ハーレンが彼を連れ出した理由はよくわかる。

最後は自滅していく。トーブを撃ってから全てが崩壊していったわけだから、話としてはおかしくない。ただロマンスを重要視しながら前半を描いていただけに、あれで終わってしまっては大きなしこりが残っているように思える。一家にとって何かしら区切りがついているようだったが、それが全然伝わってこない。どうもすっきりしなかった。話やハーレンの内面をもっと紐解けるヒントが少なかったのでは。

(評価:★3)

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