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[コメント] 頭文字〈イニシャル〉D THE MOVIE(2005/香港)

その昔『湘南爆走族』という映画がありましてね・・・
ごう

江口洋介織田裕二出演と言う今思えば豪華なキャストで、暴走族の映画なもんですからそれなりに族車が出てくるんですが、これがまた出てくる単車のどれ一つとっても直管の音じゃないんです。おまえロケットカウルでそれはないだろうと。バイクのシーンもそこそこあるくせに何してくれてるんだと。江口の紫の頭は許せてもこれだけは許せなかったんです。

その点今回の『頭文字D』、これはもう全然合格点です。オープニング、AE86が走り去るときに明らかに乗り心地悪そうに跳ねている。まさに足回りをガチガチに固めてる時に見せる挙動をしながら走り去るんです。音だって勿論ノーマルの音ではありません。オレはこの時点で楽しめるのを確信いたしました。確かに若干気になるところもあります。ドリフトで変なお釣り出しているところもあるし、慣性ドリフトの筈なのにリアタイヤのブレーキパッドが真っ赤になりながらコーナー抜けてたり。でもそれを差し引いてもすさまじいドライビングを見せているのは間違いないわけで、特に最後の攻防をやってるドライバーは相当上手くないと出来ない芸当だと思います。似たような系統の映画に『ワイルド・スピード』がありますが走りのシーンだけではこちらの方が圧勝です。

鈴木杏も可愛いです。ファーストカットだけびっくりするくらい不細工に映ってますが、後はどんどんどんどんどんどんどんどんかわいくなっていきます。最近はお年頃なのでややふっくらした感が強かった彼女ですが、今作ではそのスタイルの良さと、衣装さんとカメラさんの絶妙なコンビネーションで車が走っていないシーンの退屈をほぼ彼女一人で乗り切らせるという荒業も見事にこなしております。2005年現在のベストカメラ賞は今作のカメラさん(オレの心の中で)と言っても過言ではありません。

とまあここまで褒めちぎっているのになぜ★2なのか。それは、

あまりにも話が酷い。原作をまとめるのに苦心したあとはわかるのですが、原作を読んでいるオレにしてみれば「?」な時系列の変更が行われていましたし、原作を知らない人(がそもそも観に来るかどうかは微妙ですが)にはまさにブツ切りにしかみえない終わり方ではなかったかと。事実オレが見た劇場では「終了」の文字が出た後誰一人席を立つことなくエンドロールを眺めていましたが、あれは感動のあまり席を立てなかった、のでは決してないと思います。続編狙いの終わり方か?と考えれば納得しないではないですが、それでも一本の作品として考えればやっぱり中途半端な感じが強く、原作とかそういうものをすっ飛ばしてあくまで一作品としてみた場合はこういう評価になるのかなと。

結論としては車好きか鈴木杏好き、出来れば両方とも好きな人には観てほしい作品です。

(評価:★2)

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