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[コメント] マラソン(2005/韓国)

偽善者が居なかったのが何より良かった。
リア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







障害者に対し、純粋に良心での行いのつもりが、それをその場限りの事として継続するわけではないと、何かってーとすぐに偽善者呼ばわりされる、と言う近年の風潮を感じる。 何をするにも責任を問われる。 確かに、中途半端に何かする事は無責任な行動として、逆に後々相手を傷つける事になるかもしれない。 けれど継続すると言う事はとても難しい事。 だったら、継続が出来ないのなら何もしない方が良いのか?そうではないと思う。だったらどうしたら良いの?

子が心配で心配でなかなか子離れできない親。 最初は億劫に感じながらもいつしか真剣に取り組み向き合うようなったコーチ。 そして純な子。 彼らを見ていてそんな事を頭の隅で考えながら鑑賞していましたが、結果、誰の目から見ても偽善者と言われる人が居なかったので、とても安心したし、清々しさが残った。

子離れがなかなか出来ない、その点を除けば私はこの母親を間違ってなかったと思う。だって他に手があった?と。 平穏、けれど混沌とした毎日を送らせた方が幸せだったのか? どの程度の脚色かは分かりませんし、 ”走ろう” と母親が引いたレールかもしれませんが、 映画からは彼は走る事で”生” を身体全部で思う存分全うしていたように感じました。 「嫌」 等と自分の意思を相手に伝える事が不可能でも、本当に嫌であれば身体が拒絶反応を起こしたと思うんです、熱を出したりね。 母親の”守り続ける事” の苦悩が充分過ぎる程伝わってきたし、本当に素晴らしい母親だと思いました。 ただ、自閉症の我が子が心配で心配で子離れできない気持ち。よく分かりますが、今後の課題は母親の子離れですね。でも、この映画の終わり方を見る限り、母親はきっと大丈夫だと思います。家族も再生できたのだから。

(評価:★3)

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